
経理事務とは?仕事内容や必要スキル・向いている人について詳しく解説
公開日:2025/1/10
経理事務とは企業活動で発生した取引について、お金の管理や記録をする職種です。業務内容は幅広く、やりがいが多くあります。
本記事では経理事務とはなにか、仕事内容や必要スキルについて解説します。向いている人の特徴についても詳しく解説するので、経理事務について気になる方はぜひ参考にしてください。
目次
そもそも経理事務とは
経理事務とは、企業活動で発生した取引について、お金の管理や記録をする職種です。主にデスクワークが中心で、外回りはほとんどありません。
経理事務の業務範囲は広く、入出金管理や財務諸表の作成、経費精算、給与支払いなど、お金に関わる作業全般を担当します。また税金の申告や監査、税務調査に立ち会う場合もあり、正確な会計処理をサポートする重要な役割といえるでしょう。
経理事務は専門性が高い職種のため、一般的には簿記や会計の知識や資格が求められます。
経理事務の配属先
経理事務の配属先は、企業の規模や業種により異なります。大手企業では、経理部門が独立している場合が多いです。入出金管理や決算業務などが分業化されており、特に上場企業では監査対応や連結決算など、より高度な専門知識が求められます。
一方で中小企業では経理部がなく、バックオフィス業務全般を担う総務部や管理部が配属先となり、総務業務や人事業務と共に経理を担う場合もあるでしょう。人員の関係から経営者が経理を担当したり、外部に業務をアウトソーシングすることもあります。
経理事務の給料
経理事務の給料は、雇用形態や経験、企業規模によって異なります。正社員の場合、初任給は約20万円前後、年収は300~400万円程度である場合が多いです。
派遣社員やアルバイトの場合、時給は1,100~1,400円程度が一般的で、都市部や大企業では時給や年収が高くなる傾向があります。
年齢やスキルが上がるにつれ給与も増加する傾向があり、特に30代以降は経験値や資格によって昇給しやすくなります。
経理事務は将来性も需要もある
経理事務はアウトソーシングやIT化の進展により、一部の企業では正社員としての需要が減少傾向ですが、依然として中小企業やスタートアップ企業では高い需要があります。
特に経理業務だけではなく、効率化や業務改善に対応できるスキルを持つ人材は重宝され、将来的にも活躍の場は広がるでしょう。
ITの導入により働き方が柔軟になったため、派遣社員やパートタイムなどの求人も増加しており、フリーランスの活躍の場も広がっています。未経験可能の求人も出ており、働きながら専門知識を積めば、安定して経理事務としてキャリアを築くことが可能です。
経理事務の仕事内容
経理事務の仕事は毎日行う必要のある日次業務、毎月行う月次業務、年に一度の年次業務があります。それぞれの仕事内容について、概要を見ていきましょう。
日次業務
経理事務の日次業務は、日々の取引に基づいて発生するお金の動きを管理し、記録する重要な業務です。主な業務内容は、以下のとおりです。
- 入出金の管理
- 預金残高の確認
- 経費精算の処理
- 仕訳の入力
- 伝票や請求書の発行・管理 など
日次業務は売上や支払いの動きを正確に把握するための重要な業務です。特に経費精算や取引記録の適切な処理は、企業の財務状態を把握するためだけでなく不正防止の観点からも欠かせません。
月次業務
経理事務の月次業務は、毎月の締め日に合わせて行う重要な業務です。主な業務は、以下のとおりです。
- 入出金の管理
- 預金残高の確認
- 経費精算の処理
- 仕訳の入力
- 伝票や請求書の発行・管理 など
月次業務は前月の取引データと照らし合わせ、売上や経費の確認を行います。月次決算業務は集計作業や報告資料の作成が必要です。
月次決算のデータは、年次決算の基礎データとしても利用され、企業の経営管理において不可欠です。そのため締め日前後には一時的に業務量が増えることも少なくありません。
年次業務
1年間の集大成である経理事務の年次業務は、企業にとって重要です。1年間の経理データを集計して決算報告や税務申告を行い、企業の財務状況や業績を正確に把握します。
主な年次業務は、以下のとおりです。
- 決算報告書の作成
- 税務申告
- 連結決算
- 有価証券報告書の作成
- 年末調整 など
年末調整は従業員の給与にも影響を与えるため、正確な処理が求められます。会社の経営成績を正確に反映するためミスが許されない重要な業務であり、高度な専門知識が必要です。
経理事務と一般事務の大きな違いとは
経理業務と一般事務の大きな違いは、専門知識の有無です。経理事務は一般事務の基本スキルに加え、企業のお金の管理に特化した業務を行うため、簿記や会計の知識が欠かせません。
一般事務の主な仕事内容は、以下のものがあります。
- 書類作成
- データ入力
- ファイリング
- 来客対応 など
一般事務の業務内容は幅広いですが、特別な専門知識を必要としないため、未経験でも挑戦しやすいといえるでしょう。経理事務に必要な簿記の資格については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
経理事務はどのような人に向いている?求められるスキルとは
企業の経営判断に大きく関わる経理事務の業務をこなすには、どのような人が向いているのでしょうか。ここからは、経理事務をするうえで求められるスキルについて解説します。
数字や計算が苦手でない
経理事務は日々多くの数字や計算に関わるため、数字や計算が苦手でない人に向いています。経理事務は企業の収支や経費、給与計算などの数字を正確に扱う必要があるため、数字に対する抵抗感がないことも重要です。
ただ数字を入力するのではなく、暗算でおおよその数字を把握できれば、業務スピードや正確性も向上します。
コツコツ正確に業務ができる
経理事務は、日々の取引が発生した際の仕訳や経費精算、伝票の発行など、日々積み上げる業務が多く、正確さが重要です。そのためコツコツと几帳面に業務を進め、細部にまで気を配れる人が向いています。
経理事務は企業のお金を管理する業務であるため、ミスが生じると決算や給与、税務に影響を与えてしまいます。そのため日々繰り返される業務のなかで、集中力を維持し、正確に業務をこなすスキルが必要です。
ExcelなどのITツール活用が得意
経理事務の業務を行うためには、ExcelやWordなどの基本的なPCスキルが求められるため、ITツール活用が得意な人も経理事務に向いています。特にExcelは表計算や関数を使っていかに効率的に使いこなせるかどうかがポイントになります。
Excelを使ったデータ集計やグラフ作成、関数を使った計算は日常的な業務の一部であるのに加え、会計ソフトとの連携やデータのインポートなど、デジタルスキル全般も今後さらに重要になっていくことが予想されます。現在普及しているITツールを使いこなせ、かつこれから導入するITツールに対しても苦手意識をもたないことが、業務を効率的にこなすために必要です。
スケジュール管理が得意
経理事務は期限の決まった業務が多いため、スケジュール管理が得意な人が向いています。支払い処理や請求書の発行、給与の振り込みなど、もし遅れが生じれば会社の信用に関わる大きな問題となります。
日次業務や月次業務、年次業務である決算業務も含め、常に複数の締め日に合わせて業務を進めなければならないため、しっかりとスケジュールを組み、優先順位を付けて作業を進めていく必要があります。特に月末月初や決算時期は業務が集中しやすいため、計画的に進めてミスを防ぎ、スムーズに処理をすることが大切です。
コミュニケーションスキルが高い
経理事務は伝票の確認や経費精算などで他部署と関わる場面も多いため、コミュニケーションスキルが高い人に向いています。社内だけではなく、クライアントや税務署とのやり取りなどさまざまな場面で調整や説明が必要となることもあり、複雑な会計情報をわかりやすく伝える必要があります。
たとえば経営陣に対して財務報告を行う際は、専門用語や数字を単に提示するだけでなく、相手の理解を促す説明力が求められます。問題が発生した際には迅速に状況を把握し、他部署や外部機関と協力して解決策を導き出すための調整力も必要です。
他の事務では得られない経理事務の魅力ややりがい
経理事務だけではなく、事務には一般事務や総務事務、人事事務、営業事務など多くの種類がありますが、経理事務にしか得られない魅力ややりがいはどのようなものがあるのでしょうか。ここからは経理事務の魅力や、やりがいについて解説します。
専門的な知識が身に付き転職に有利
経理事務の魅力は、働きながら専門的な知識を身に付け、スキルアップできる点です。簿記や会計の知識を実務で活かしながら成長を実感することは、経理事務担当者にとって大きなやりがいとなるでしょう。
また経理のスキルはどの業界でも必要とされるため、転職時に有利です。特に資格を取得していれば、その専門性が高く評価されるでしょう。
会社の経営に関われる
会社のお金の流れを把握し経営に関われる点も、経理事務の大きな魅力です。経理事務は業務を通して会社の経営状態をリアルタイムで把握でき、そのデータは経営陣の意思決定に直接影響を与えます。
作成する財務データや試算表は、会社の今後の方針を決める重要な基礎資料となり、経営戦略に大きな役割を果たします。経営陣から経理担当者として意見を求められることもあり、解決策を提案する機会もあるでしょう。企業全体の問題に対して直接取り組む業務は、大きなやりがいを感じられます。責任感も養える経理事務は、他の事務職にはない特別な魅力があります。
経理事務は難しい?未経験で経理事務になりたい人がするべきこと
経理事務は即戦力が求められるため、経験者の方が転職市場では有利です。未経験でも挑戦できる求人は存在しますが、最低限のスキルや知識が求められます。ここからは、未経験者が経理事務を目指すためにするべきことについて、具体的に解説します。
簿記の知識を深める
経理事務を未経験から目指す際には、業務に対応する専門的な知識を身につけることが重要です。簿記の知識を深めるためにおすすめの資格には、以下のものがあります。
- 日商簿記検定
- 給与計算実務能力検定
- FASS検定 など
特に日商簿記検定は経理の基本スキルを学ぶための代表的な資格で、取得すれば採用時の評価も高いです。給与計算実務能力検定やFASS検定資格なども給与や経費計算、税務処理に関する実務知識を習得でき、経理事務業務の幅広いスキルを証明できます。
PCスキルを磨く
経理事務ではExcelをはじめPCを頻繁に使用するため、PCスキルを磨くことが重要です。特にExcelは基本操作だけでなく、関数や表計算、ピボットテーブルの活用ができると、業務の効率が大幅に向上します。たとえばピボットテーブルは大量のデータを簡単に集計・分析し、グラフ化する機能があるため、経理事務のデータ処理に欠かせません。またVLOOKUP関数を使えば、指定範囲から必要なデータを迅速に抽出することができ、手作業よりも効率的に業務を進められます。
Excelのスキルを身につけるために、MOSなどの資格に挑戦するのもよいでしょう。資格取得を通じてExcelの知識を深めれば、実務でのパフォーマンスが向上し、経理事務としての信頼も高まります。
未経験可の求人に応募し、実務経験を積む
未経験から経理事務を目指す場合、未経験可の求人に応募し実務経験を積むことが重要です。請求書発行や経費精算、伝票整理など基本的な業務をこなせば、徐々にスキルを身につけられます。
メリービズのリモートスタッフは、実務経験がなくても日商簿記3級を取得していれば応募することができます。完全在宅・フルリモートで経理のお仕事が可能です。興味のある方は、ぜひリモートスタッフのサイトをご覧ください。
在宅で経理事務をしたい方はメリービズへ
経理事務は企業活動を通じて発生した取引に関しての、金銭管理や記録をする職種です。事務には一般事務や営業事務などさまざまな種類がありますが、専門的な知識が身に付いて転職に有利になる点や、会社の経営に関われる点が、経理事務の大きな魅力といえます。
未経験で経理事務になるためには簿記の知識を深めたりPCスキルを磨いたりして、実務経験を積むことが重要です。
メリービズでは、簿記三級以上の資格があれば、未経験でも応募が可能です。未経験ではあるものの在宅で経理事務に挑戦したいとお考えの場合は、ぜひメリービズにご相談ください。メリービスでは、完全在宅・フルリモートで経理事務のお仕事をしていただける方を募集しています。経理事務経験の浅い方、リモートワーク未経験の方も歓迎しています。興味のある方は、ぜひリモートスタッフのサイトをご覧ください。