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仕訳入力とは?基本ルールから入力方法、注意点まで紹介

公開日:2025/3/17

仕訳入力は、企業活動の基礎となる重要な経理業務です。

本記事では仕訳の基本ルールや、会計ソフトおよびExcelを活用した効率的な入力方法、補助元帳のメリットなどを解説します。初心者でも取り組みやすいポイントをまとめているので、ぜひ参考にしてください。

仕訳入力とはどんな業務?

仕訳入力は企業活動で発生する取引を管理するうえで、欠かせない基礎業務です。そもそも仕訳とはどのようなものなのか、業務内容について解説します。

最終的に作成される決算書の基盤となる重要な業務なので、しっかりと確認しておきましょう。

そもそも仕訳とは?

仕訳とは、企業や個人事業主が行うすべての取引を帳簿に記録することです。具体的には借方(かりかた)と貸方(かしかた)に分類し、それぞれの金額や該当する勘定科目を記録します。この一連の業務は複式簿記の基本で、日々の取引を記録した仕訳を基に決算書をまとめます。

仕訳を誤ると決算や確定申告に影響を及ぼすため、正確さが求められる業務です。また取引内容を管理し、経営の健全性を評価するための重要な基盤となります。正確な仕訳は、経営者や税理士が迅速かつ適切に企業状況を把握するカギといえます。

仕訳入力の業務内容

仕訳入力の業務内容は、仕訳を行った内容を帳簿や会計システムへ正確に記録することです。帳簿とは日々の取引や資金の流れを記録したものを指し、紙媒体からデジタル管理へと移行が進んでいます。入力された仕訳データは勘定科目ごとの合算や残高の確認に活用され、経営状況の把握を支えます。

また、仕訳データは決算時に作成される決算書の基礎資料となるため、正確でなければなりません。日々の入出金情報の正確な記録は、経営の透明性と効率化を促進し、長期的な信頼構築にもつながります。


仕訳における基本的なルール

仕訳にはいくつかの基本ルールがあり、正確な帳簿作成や決算書作成の基礎となります。そのなかでも重要なのが、各取引を適切な勘定科目に分類することです。

勘定科目は資産と負債、純資産、収益、費用の5つに分けられます。それぞれの役割や分類基準を理解すれば仕訳の精度向上につながるため、正確に把握しておきましょう。

仕訳に用いる主な勘定科目

仕訳ではすべての取引を、5つの主要な勘定科目に分類します。

ここからは、それぞれの勘定科目の概要について見ていきましょう。

2-1-1.資産

資産とは、企業が保有する経済的価値を持つものです。1年以内の短期で現金化できる「流動資産」と、長期間保有する「固定資産」に分けられ、具体的には以下のものがあります。

【流動資産】

【固定資産】

固定資産はさらに、有形固定資産(建物や機械など)と、無形固定資産(商標権やソフトウェアなど)に分けられます。また開業費などの「繰延資産」も、資産の一部です。

2-1-2.負債

負債は、企業が支払いや返済をしなければならないものを指し、具体的には以下のものがあります。

このほか貸倒引当金や退職給付引当金といった、将来に備えて計上しておくものも含まれます。負債は短期的な「流動負債」と、長期的な「固定負債」に分類され、資金調達の手段として重要な役割を果たします。

2-1-3.純資産

純資産は資産から負債を差し引いたもので、具体的には以下のものがあります。

また新株予約権や有価証券評価差額金も、純資産の一部です。純資産は企業が保有する財産の純粋な価値を示します。

2-1-4.収益

収益は、企業が一会計期間で得た収入を指します。

会社の事業活動で得た収入は「売上高」、利息や株式投資等で得た収入は「営業外収益」、固定資産の売却等特別に発生した収益を「特別収益」と呼びます。

2-1-5.費用

費用は、収益を得るためにかかった支出を指します。

費用は「売上高」と「販売費および一般管理費」、「営業外費用」などがあるほか、固定資産を処分した際や火災等で発生する「特別損失」などがあります。

取引を借方・貸方に分けて記載する

仕訳を行う際には、取引を借方(左側)と貸方(右側)に分けて記載します。この記載方法は、勘定科目のグループによって増減のルールが決まっており、これを理解することが仕訳の基礎と言えるでしょう。

仕訳例:商品を現金で販売した

上記は資産が増えると借方、減ると貸方のルールに基づくものです。一方で収益や負債、純資産の場合は逆のルールが適用され、増加時には貸方、減少時には借方に記載します。費用は資産と同様に増加は借方、減少は貸方です。

取引によって何が増え、何が減ったかを正確に判断し、ルールに基づいて左右に振り分けることが仕訳の基本です。


仕訳入力の方法

仕訳入力を効率良く行うためには、使用するツールや方法の正しい選択が重要です。仕訳入力の主な方法には会計ソフト、Excel、振替伝票が主に利用されています。

ここからは、それぞれの特徴について見ていきましょう。目的や業務内容に応じて適切な方法を選択すれば、経理業務の精度と効率の向上が期待できます。

会計ソフト

会計ソフトとは、仕訳データを入力するだけで自動的に集計し、帳簿や決算書の作成もサポートしてくれるソフトです。現在では経理業務の効率化のために会計ソフトを利用する企業が一般的で、普及率は9割を超えています。

会計ソフトは振替伝票形式での入力も可能で、初心者でも使いやすい設計です。またSaaS型のサービスでは、低コストで導入できる点も魅力と言えます。経理業務の効率化だけでなくミスの削減にもつながるため、会計ソフトは多くの企業にとって必須のツールとなっています。

Excel

会計ソフトのほかにも、Excelを使用して仕訳入力を行う方法もあります。Excelでは仕訳帳や振替伝票の形式でフォーマットを作成して必要事項を記載することで、効率的なデータ管理が可能です。

Excelは自由度が高く、業務に応じてアレンジできる点が特徴で、入力項目は日付や金額、借方・貸方科目、摘要などが含まれます。一度フォーマットを作成すれば繰り返し使用できるため、コストを抑えながら仕訳入力を行いたい場合に適している方法です。

振替伝票

振替伝票を用いた仕訳入力は、取引内容を借方と貸方に分けて記載し、日付と金額、勘定科目、摘要を明記します。

振替伝票には「1伝票制」「3伝票制」「5伝票制」の3種類があり、取引の性質に応じて異なる伝票を使用します。たとえば3伝票制では現金取引に入金伝票と出金伝票を使い、現金以外の取引に振替伝票を用いるのが特徴です。

現在では会計ソフトでの業務が主なため、振替伝票の利用は減少していますが、記録を分担しやすい利点もあります。


仕訳を行う際のポイント・注意点

仕訳を正確に行うためには、いくつかのポイントや注意点を押さえておく必要があります。会計ソフトを使用すれば、仕訳や計算の一部を自動化できるため、ミスを減らし効率的に業務を進められます。

しかし、基本的なルールや確認業務は依然として重要なので、仕訳業務で注意すべき具体的なポイントを理解しておきましょう。

補助元帳を作成する

取引が多い企業では、補助元帳を作成することで勘定科目ごとの詳細な管理が可能です。補助元帳とは、特定の勘定科目について明細を記録する帳簿のことで、代表的な帳簿に以下のものがあります。

補助元帳を利用すれば、取引先ごとの売掛金の増減や残高が一目で把握でき、集計業務の手間が軽減できます。補助元帳は義務ではありませんが、特に大企業や取引先が多い場合は、総勘定元帳だけではなく補助元帳を併用することで、経理業務の効率化が期待できます。

勘定科目のグループを正しく把握しておく

仕訳を行う際には、勘定科目がどのグループに属し、借方または貸方のどちらに記載すべきかを正確に理解することが重要です。頻繁に使用される勘定科目、たとえば売掛金や現金、普通預金などの仕訳方法を覚えておくと、業務を効率的に進められます。

勘定科目のルールを把握することで仕訳ミスを防ぎ、正確な決算書の作成やスムーズな会計処理が可能です。

借方・貸方の合計額が一致するかどうか確認

仕訳をする際、借方(左側)と貸方(右側)の金額は必ず一致しなければなりません。一致しない場合には、記載漏れや数字の入力ミスが考えられるため、必ず確認しましょう。

取引内容によっては借方や貸方に複数の勘定科目が含まれる場合もありますが、合計額が一致していれば問題ありません。仕訳ごとに確認する習慣をつければ、帳簿全体の整合性を保てます。


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仕訳入力は、取引を勘定科目に分類して帳簿に記録する業務です。複式簿記に基づいて取引内容を整理し、貸借対照表や損益計算書の基礎となるデータを作成します。

仕訳入力の方法には会計ソフトやExcel、振替伝票などがあり、仕訳を行う際は補助元帳の作成や勘定科目の正しい把握、借方と貸方の合計額の一致などを確認する業務も覚えておきましょう。

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執筆者
メリービズ編集部

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